ノートパソコン ビデオカード列伝

ノートパソコンに使われたグラフィックアクセラレータの特徴と記録など。備忘録。作成中。

 

前置き

ノートパソコンに使われたオンボードグラフィックの特徴や性能などをメモっておこうという趣旨のページです。

ノートパソコンには多種多様なグラフィック(ビデオチップ)が搭載されていて、わかり難いです。
とりあえずは主要なものを中心に記録しときます。

 

ATI

グラフィック関係では有名なメーカー。PC自作をやっている人なら誰もが知っているかもしれない。
ノートパソコンのグラフィックチップとしては、1998年12月に発表されたRAGE MOBILITYシリーズが大ヒット。
その後MOBILITY RADEONが主力に。

RAGE MOBILITY-M

RAGE MOBILITYより前のノートパソコン用のチップはほとんど3D機能が無いに等しかったが、RAGE MOBILITYは曲りなりにも3D機能が一応使えた。
DVDや動画の再生も一応こなせる。MOBILITY RADEONが登場するまで、各社のノートパソコンに採用された。
MOBILITY-MとMOBILITY-Pの違いは、VRAM用メモリ内蔵か否かの違い。


RAGE MOBILITY-M3 (RAGE MOBILITY 128)

RAGE MOBILITYのパワーアップ版ともいえる存在で、より大容量のVRAMが扱えるようになったり、基本性能がかなり向上している。
当時のノートパソコンの上級グレードが採用していた。

 

NeoMagic

NeoMagic(ネオマジック)はアメリカ・カリフォルニア州に本拠を置く会社。
2000年以前は各社のノートパソコンに採用され、一時期は圧倒的なシェアを誇っていた。しかし性能的には特に優れていたわけでなく、Direct3DやOpenGLを使った3Dソフトやゲームはろくに動かなかった。チップに3D機能はあるらしいが、ドライバが対応しないとかで、事実上ハードウェア3D機能は無いも同然。256ZXより前のチップはDirectDrawも遅い。MagicMedia256AVから、DVD再生にハードウェアが対応。発色は比較的良好(個人的感想です)。
ATIのRAGE MOBILITYの登場とともに徐々に採用機種が減少していった。いわばRAGE MOBILITYに引導を渡された形。
その後NeoMagicはノートパソコン向けビデオチップの分野から撤退を表明、ハンドヘルド通信機器分野へと事業転換した。

NeoMagicの代表的なチップ

MagicGraph128XD(NM2160)

1997年〜1999年くらいまで、各社のノートパソコンに採用されていた。
動画はMPEG1なら再生支援機能があり、問題なく再生できる。VGAサイズ(640*480)以上の動画やDVDの再生は環境にも左右されるが、厳しい。
DirectDrawも遅いが、非常に古いゲームならまともにプレイ可能(セガラリーとか)。


MagicMedia256AV(NM2200)

1998年〜2000年あたりまで多くの機種に採用された。AGPに対応。
ハードウェアでDVD再生に対応しているため、動画の再生は一応こなせる。当時このチップを採用した各メーカーの記述を見ると、3D機能ありと書いているメーカーもあるが、実際は3D機能は無いも同然の状態。DirectDrawはNM2160に比べ若干速くなっている。しかし最近のWebでよく見られる、重いFLASHなどは厳しい。


MagicGraph 256ZX(NM2360)

NeoMagic末期に登場したチップ。
VRAM4MBで、なおかつ3Dアクセラレータ内蔵のはずだったが、ドライバが3D機能に対応していないらしく、例によって3D機能は使えない。

 

S3

S3はアメリカの会社だが、台湾のVIAにビデオカード部門を売却し、現在はVIAがビデオカード事業を引き継いでいる。
デスクトップ用としてTrio64やVIRGEなどのビデオチップを作ってきたが、鳴り物入りで登場したのがSavage。
ノート用グラフィックとしては、デスクトップPC用のSavage4と同等の性能を持つSavage MX、Savage IX、さらにそれらの発展・改良型のSuperSavageなどがある。
Savage MXとSavage IXの違いは、MXがVRAMをチップ外部に、IXがVRAMを内蔵といった違いがある。SuperSavageは128ビットコア、143MHz動作にクロックアップされたのが特徴。
Savageは発表当時にはノート用チップとしては珍しく、3D機能を前面に押し立てたチップで、実際にライバルのRAGE MOBILITY-M以上の3D性能を持っていた。
しかしドライバのできがいまひとつだったためか、3D機能を使用するソフトで表示がおかしくなるなど不具合が出るソフトもあった。

S3の代表的なチップ

ViRGE MX

東芝のDynabookなどに採用されていた。
デスクトップ用のViRGEと性能的には大差なし。


Savage MX / Savage IX

当時、ハードウェア3Dを持っていたノート用のチップは、ATIのMOBILITY RAGEくらいしかなかったところに登場したチップ。
肝心の3D機能は、RAGE MOBILITY-M1と比べれば速いが、RAGE MOBILITY 128(M4)と比べるとやや遅いかという微妙な性能。
意外に多くの機種に採用されているが、ATIのMOBILIITY RADEONやチップセット内蔵グラフィックの台頭で消えていった。


SuperSavage

ノート用Savage末期に登場したチップ。
一見すごそうな名前だが、デスクトップ用のSavage2000ではなく、Savage4ベースに改良されたものだったため、Savage IXよりは良いが、革新的に速いわけでもないという、やっぱり微妙な性能。

 

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